相場の季節性・アノマリーとは
「セル・イン・メイ」など、明確な理由は説明しきれないが経験的に観察されてきた相場の季節的な傾向(アノマリー)について解説します。
アノマリーとは
アノマリー(anomaly)は、理論的に明確な説明がつくわけではないものの、経験的・統計的に観察されてきた相場の値動きの傾向を指します。「必ず当てはまる法則」ではなく、「そういう傾向が見られることがある」という参考情報として扱うのが基本です。
セル・イン・メイ(Sell in May)
「セル・イン・メイ(5月に売れ)」は、欧米の相場でよく語られるアノマリーで、「5月に株を売り、夏枯れ相場を避けて秋以降に買い戻す方がよい」という経験則です。もとは英語の格言 “Sell in May and go away, but remember to come back in September”(5月に売って離れよ、ただし9月には戻ってくることを忘れずに)に由来します。
その他によく語られるアノマリー
- 1月効果: 年明け、特に1月に株価が上昇しやすいとされる傾向。新年の資金流入や、前年末の節税対策売り(タックス・ロス・セリング)の反動などが理由として語られることがある
- 月末月初の株高: 月末から月初にかけて、年金や投資信託などの機関投資家の資金フローの影響で株価が上昇しやすいとされる傾向
- 権利落ち前後の値動き: 配当や株主優待の権利確定日の前は株価が上昇しやすく、権利落ち後は株価が下落しやすいとされる傾向(権利確定日・権利落ち日の仕組み自体は権利確定日・権利落ち日とはを参照)
アノマリーを扱う際の注意点
- 再現性が保証されているわけではない: 過去にそうした傾向が観察されたというだけで、将来も同じように起こるとは限らない。毎年必ず当てはまるものではない
- 多くの人が知っている情報は織り込まれやすい: 広く知られたアノマリーほど、多くの投資家がそれを見越して先回りして売買するため、効果が薄れたり逆の動きになったりすることもある
- 個別銘柄の材料の方が影響力が大きい: 季節性はあくまで相場全体の傾向であり、決算発表や個別の経営判断など、その銘柄固有の材料の方が株価への影響は大きいのが通常
まとめ
- アノマリーは理論的な裏付けが明確ではないが、経験的に観察されてきた相場の季節的な傾向
- セル・イン・メイ、1月効果、月末月初の株高などがよく知られている
- 再現性は保証されておらず、広く知られるほど効果が薄れることもある
- 売買の唯一の判断材料にはせず、他の情報とあわせて参考程度に扱うのが基本