トーカイ、K-WORKER・荒木マリーンの2社から介護用品事業を承継 — シルバー事業の拠点網をさらに拡大
岐阜県岐阜市に本社を置くトーカイ(9729)が、東京と熊本の介護事業者2社から福祉用具貸与・販売事業等を会社分割で承継すると発表。介護用品レンタルを軸にした成長戦略の一環です。
今週のトピック
病院向け寝具・白衣のレンタルやリネンサプライ、介護用品レンタルなどを手がける株式会社トーカイ(証券コード9729)は2026年9月7日、同日開催の取締役会において、K-WORKER(東京都新宿区)および荒木マリーン(熊本市)の2社から、福祉用具貸与事業・福祉用具販売事業・住宅改修事業を、簡易吸収分割の方法により承継することを決議したと発表しました。
会社分割の効力発生日は2026年11月1日で、K-WORKERおよび荒木マリーンを分割会社、トーカイを承継会社とする吸収分割です。会社分割の対価として、トーカイはK-WORKERに1億2,000万円、荒木マリーンに1億8,600万円の金銭をそれぞれ交付する予定で、対価総額は3億円強となります。
承継対象事業の直近売上高は、K-WORKER分が1億4,100万円(2025年9月期)、荒木マリーン分が1億8,500万円(2026年3月期)です。K-WORKERは東京都内、荒木マリーンは熊本県内で、それぞれ福祉用具貸与・販売や住宅改修などの在宅介護支援サービスを地域密着で展開してきました。トーカイは現在、手すり・杖・歩行器・車いすなどの福祉用具レンタル・販売や住宅改修をサポートする「シルバー事業」の拠点を、北海道を除く東北から九州にかけて計104カ所展開しており、今回の承継で両社の顧客基盤を取り込み、シェア拡大を図るとしています。
企業概要と地域との関わり
トーカイは1955年設立、岐阜県岐阜市に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場する生活関連サービス業の企業です。病院向けの寝具・白衣レンタルやリネンサプライを祖業とし、現在は高齢者の在宅介護を支える福祉用具レンタル・販売事業(シルバー事業)を主力に、調剤薬局の運営(中部・関西地域中心)、病院関連業務の受託、環境関連サービスなど幅広い事業を展開する複合サービス企業です。直近期(2026年3月期)の売上高は1,596億6,400万円、当期利益は60億6,900万円(J-LiCの企業情報による)で、岐阜・愛知を中心とする東海地方を代表する上場企業の一角を占めています。
投資家目線での注目材料
- M&Aを軸にしたシェア拡大戦略: 在宅介護用品レンタル業界は全国に7,000社超の事業者が存在し、シェアが分散した市場とされています。M&A Onlineの報道によれば、トーカイは現在約5%とされる業界シェアを2035年までに10%へ引き上げる方針を掲げており、今回のような小規模な会社分割による事業承継を積み重ねる手法が、その成長戦略の中心的な手段となっています
- 取引規模の小ささと積み上げ型の成長パターン: 今回の2件はいずれも対価が2億円未満の小型M&Aで、単独では業績インパクトは限定的とみられます。過去にもドリームライフ、ウェルファー、堀田介護サービス、佐藤(九州地盤)、介護センター花岡など同様の小規模な事業承継を繰り返してきており、こうした「ロールアップ型」の積み上げが中長期的な業績にどう寄与していくかが継続的な注目点です
- 地域を超えた全国展開の広がり: 今回承継する事業拠点は東京都と熊本県で、トーカイの本拠地である東海地方から離れた場所にあります。同社はすでに北海道を除く全国にシルバー事業の拠点網を持っており、地場企業でありながら全国規模で介護インフラを支える存在へと変化してきている点も、事業構造を見るうえでの材料です
まとめ
- トーカイ(9729)は2026年9月7日、K-WORKER(東京)と荒木マリーン(熊本)の福祉用具貸与・販売事業等を、会社分割により承継すると発表した
- 対価はK-WORKERに1億2,000万円、荒木マリーンに1億8,600万円で、効力発生日は2026年11月1日
- 業界シェアが分散する介護用品レンタル市場で、M&Aによる小規模な事業承継を積み重ねてシェア拡大を図る成長戦略の一環と位置づけられる
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資判断は最新の適時開示情報・決算情報等をご自身でご確認のうえ行ってください