i
invest.devbento.net

日本株・投資情報メディア

TOKAIホールディングス、浜松発の茶業スタートアップBlue Farmに出資 — 静岡の茶産業とサステナビリティ戦略を結ぶオープンイノベーション

静岡市に本社を置くTOKAIホールディングス(3167)が、浜松市発の茶業スタートアップ「Blue Farm」への出資を発表。抹茶需要の拡大を背景に、地域の茶産業支援とグループのサステナビリティ戦略を結び付ける動きです。

今週のトピック

静岡市に本社を置くTOKAIホールディングス(証券コード3167)は2026年9月18日、茶業スタートアップのBlue Farm株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役:青木大輔)へ出資したことを発表しました。同社は適時開示としてこの内容を公表しています。

Blue Farm社は静岡県で300年続く茶農家出身の青木氏が2021年に設立したスタートアップで、企業向けにサブスクリプション型で茶畑を提供し、企業内で使う茶飲料の調達とSDGsの取り組みを支援する「ChaaS(茶畑・as a Service)」を展開しています。今後は国内外での抹茶需要拡大を背景に、卸商社や飲食店向けに茶畑をサブスクリプション形式で提供する新サービス「MatchaaS(抹茶・as a Service)」の展開も予定しています。

なお、Blue Farm社は同年9月11日付のプレスリリースで、AKaFUJI(静岡キャピタルのDeepBlue1号投資事業有限責任組合)、鈴与商事、加和太建設(LtGキャピタルパートナーズ)、浜松磐田信用金庫・信金キャピタル(しんきん-やらまいか2号投資事業有限責任組合)、TOKAIホールディングス、NOBUNAGAキャピタルビレッジを引受先とする第三者割当増資により、シリーズAラウンドで3億5,000万円を調達し、累計調達額が4億6,000万円に達したことを公表しています。ファイナルクローズは2026年9月末を予定しており、TOKAIホールディングス単独の出資額はこの一連の資金調達に含まれる形で、両社の発表からは確認できません。

企業概要と地域との関わり

TOKAIホールディングス(3167)は静岡市に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場する企業です。LPG(プロパンガス)販売やケーブルテレビ(CATV)・インターネット接続、宅配水など、静岡県を中心に生活インフラ関連サービスを幅広く手がける複合サービス企業として知られています。なお、同じ「トーカイ」を名乗る企業として岐阜県岐阜市に本社を置く株式会社トーカイ(証券コード9729、介護用品レンタル等)がありますが、両社は無関係の別企業です。

出資先のBlue Farm社は浜松市に本社を置き、静岡県の基幹産業である茶業の担い手不足や耕作放棄茶園の増加といった課題に対し、企業との中長期契約によって茶畑を生産基盤として確保する事業モデルで取り組んでいます。TOKAIグループは「地域課題・社会課題を解決する社会価値創造企業」を掲げており、自社の経営基盤である静岡県の茶業支援を通じた地域産業振興を出資の目的としています。

投資家目線での注目材料

  • 出資額は非公開、財務インパクトは限定的とみられる: 今回の出資はTOKAIホールディングス単独の出資額が両社の発表に明記されておらず、Blue Farm社のシリーズAラウンド全体(3億5,000万円)は複数の投資家による共同引受です。上場企業側の会計上の影響は現時点では確認できず、短期的な業績への影響よりも、事業連携や地域戦略上の位置づけとして捉えるのが妥当です
  • 本業との関連性を伴うオープンイノベーション投資: LPGやCATVなど地域生活インフラを担うTOKAIグループにとって、静岡の基幹産業である茶業を支援する投資は、グループのサステナビリティ戦略や「静岡県における地域産業振興」という目的と整合的です。単なる財務投資ではなく、事業連携を見据えた出資である点が特徴です
  • 抹茶需要拡大という外部環境の追い風: Blue Farm社が今後展開を計画する「MatchaaS」は、海外での抹茶需要拡大を成長機会として位置づけています。この外部環境がBlue Farm社の事業成長、ひいては出資先としてのTOKAIホールディングスの投資回収にどう結びつくかは、今後の同社の事業展開次第であり、現時点で判断材料となる具体的な数値は開示されていません

まとめ

  • TOKAIホールディングス(3167)は2026年9月18日、浜松発の茶業スタートアップ・Blue Farm株式会社への出資を発表した
  • Blue Farm社は2026年9月11日、TOKAIホールディングスを含む複数の投資家からシリーズAラウンドで3億5,000万円(累計4億6,000万円)を調達したことを公表しており、TOKAIホールディングス単独の出資額は非公開
  • 静岡県の基幹産業である茶業の担い手不足や耕作放棄茶園といった課題解決を目指すBlue Farm社への出資は、TOKAIグループのサステナビリティ戦略・地域産業振興策の一環と位置づけられる
  • 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資判断は最新の適時開示情報・決算情報等をご自身でご確認のうえ行ってください