ROEとROAの違いを浜松発3社の決算数値で理解する
スズキ・ヤマハ発動機・浜松ホトニクスの実際のROE・ROAを比較しながら、2つの収益性指標の違いと読み方を図解します。
ROEとROA、2つの「効率性」指標
ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)は、どちらも「利益を生み出す効率」を測る指標ですが、分母が異なります。ROEは自己資本、ROAは総資産(自己資本+負債)が基準です。浜松発の上場3社、スズキ・ヤマハ発動機・浜松ホトニクスの実際の数値で違いを見てみます。
数値の一覧
| 企業 | ROE | ROA | ROEとROAの差 |
|---|---|---|---|
| スズキ(7269) | 約13.8% | 約7.0% | 約6.8ポイント |
| ヤマハ発動機(7272) | 約1.4%(予想) | 約4.4%(予想) | ROAの方が高い |
| 浜松ホトニクス(6965) | 約5.1%(予想) | 約3.4%(予想) | 約1.7ポイント |
注目したいのはヤマハ発動機で、ROE予想がROA予想を下回っているという珍しい状態になっています。通常、負債を活用している企業はROEの方がROAより高く出やすいのですが、これは一時的な特殊要因(為替影響や減損など)によって当期純利益が押し下げられた場合に起こりうる現象です。単年の数値だけでなく、過去の推移とあわせて確認する必要があることを示す好例といえます。
2つの指標を組み合わせて見る意味
スズキはROE・ROAともに他の2社より高く、自己資本・総資産の両面から見て資本効率の良い経営ができていることがうかがえます。浜松ホトニクスはROE・ROAともに相対的に低めですが、これは前述のとおり自己資本比率が高い(負債への依存度が低い)保守的な財務体質と表裏一体の結果でもあります。
ROE・ROAどちらか一方だけを見るのではなく、両方を並べ、さらに自己資本比率のような財務健全性の指標もあわせて確認することで、「効率よく稼いでいるか」「その効率性は無理のない財務構造の上に成り立っているか」を立体的に判断できます。
まとめ
- ROEは自己資本、ROAは総資産を基準にした収益効率の指標で、両者の差は負債活用度を反映する
- スズキはROE・ROAともに高水準で資本効率が良好、浜松ホトニクスは保守的な財務体質を反映して両指標とも控えめ
- ヤマハ発動機のようにROEがROAを下回るケースは一時的な減益要因を疑うサインになりうる
- 単年の数値だけで判断せず、複数期の推移や自己資本比率などとあわせて総合的に確認する
- 本記事内の数値は記事作成時点の予想・実績が混在した目安であり、最新の情報は各社IR・証券会社サイト等でご確認ください