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浜松ホトニクス、第3四半期は増収増益 — AIデータセンター向け半導体需要で通期予想を再上方修正

浜松ホトニクスが2026年9月期第3四半期決算を発表。AIデータセンター向け半導体需要の拡大が寄与し、経常利益は前年同期比38.5%増。通期の利益予想も5月の前回修正からさらに上方修正されました。

今週のトピック

光電子増倍管などの独自光技術で知られる浜松ホトニクス株式会社(証券コード6965)は2026年8月6日、2026年9月期第3四半期(2025年10月〜2026年6月の累計)の連結決算を発表しました。

売上高は前年同期比11.3%増の1,730億47百万円、営業利益は同33.1%増の163億54百万円、経常利益は同38.5%増の193億63百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同31.3%増の126億19百万円と、増収増益となりました。

セグメント別では、光電子増倍管やキセノンランプを含む電子管事業がAIデータセンター向けを中心とした半導体製造・検査装置需要の拡大を受けて売上高588億22百万円(前年同期比9.5%増)・営業利益178億97百万円(同24.5%増)、イメージセンサなどの光半導体事業が売上高665億84百万円(同13.6%増)・営業利益127億41百万円(同29.8%増)と、いずれも増収増益でした。一方でレーザ事業は、AIデータセンター向け設備投資を背景にステルスダイシングエンジンが堅調だったものの、レーザ顕微鏡向けファイバレーザの売上減少などから営業損失48億96百万円(前年同期は営業損失25億53百万円)と、赤字が拡大しています。

この結果を受け、会社は2026年5月14日公表の通期予想をさらに上方修正しました。通期の売上高予想は2,390億円(前回予想2,320億円から3.0%増)、営業利益予想は220億円(同10.0%増)、経常利益予想は255億円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益予想は175億円(同6.7%増)とされ、経常利益の前期比伸び率は25.0%増から35.6%増へ、当期純利益の伸び率も上方に拡大しています。

なお、財務面では2025年11月7日の取締役会決議に基づき当第3四半期累計で自己株式973万6,800株を取得しており、自己株式が178億44百万円増加、自己資本比率は前期末の70.7%から65.2%に低下しています。

企業概要と浜松との関わり

浜松ホトニクスは静岡県浜松市に本社を置く光技術メーカーで、光電子増倍管、光半導体素子、画像計測機器、レーザ関連製品などを手がけています。基礎研究に軸足を置いた独自の光技術で世界的なシェアを持つ分野が多く、ノーベル賞受賞につながった観測装置への技術提供でも知られる、浜松発のハイテク企業です。スズキ、ヤマハ発動機、遠州鉄道と並び、浜松を代表する製造業の一角を占めています。

投資家目線での注目材料

  • AI関連需要への集中度: 電子管・光半導体の両事業の増益は、いずれもAIデータセンター向けの半導体製造・検査装置需要拡大が主因とされています。決算資料では中東情勢などの地政学リスクによる原材料・エネルギー価格の変動への懸念にも触れられており、AI関連投資サイクルの持続性が今後の業績を左右する要素として注目されます
  • レーザ事業の損失拡大: レーザ事業は増収ながら営業損失が前年同期の25億53百万円から48億96百万円へ拡大しました。ステルスダイシングエンジンなど一部製品が好調な一方、レーザ顕微鏡向けなど他分野の需要が落ち込んでおり、事業内での明暗が分かれている点は収益構造を見るうえで留意点となります
  • 為替前提と自社株買いの影響: 通期予想の上方修正は、想定を上回る円安水準で為替相場が推移していることも要因の一つとされています。また自己株式取得により自己資本比率が低下しており、株主還元と財務健全性のバランスも継続的に確認すべき材料です

まとめ

  • 浜松ホトニクスの2026年9月期第3四半期累計決算は、売上高1,730億円(前年同期比11.3%増)、経常利益193億円(同38.5%増)の増収増益
  • AIデータセンター向け半導体需要の拡大で電子管・光半導体事業が牽引する一方、レーザ事業は営業損失が拡大
  • 通期の経常利益予想は255億円(前回予想比8.5%増)に再上方修正されたが、地政学リスクによる原材料・エネルギー価格変動への懸念も会社側は指摘している
  • 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資判断は最新の決算情報・適時開示等をご自身でご確認のうえ行ってください